斎藤明日斗

 斎藤明日斗 五段
名前 斎藤明日斗
生年月日 (1998-07-17) 1998年7月17日(26歳)
プロ入り年月日 2017年10月1日(19歳)
棋士番号 311
出身地 神奈川県川崎市
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 宮田利男八段
段位 五段
棋士DB 斎藤明日斗
2022年4月9日現在
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斎藤 明日斗(さいとう あすと、1998年7月17日[1] - )は、日本の将棋棋士。宮田利男門下[1]。棋士番号は311[1]神奈川県川崎市出身[1]

棋歴

プロ入りまで

将棋を始めたきっかけは、5歳の時に、将棋盤と駒を買ってきた父から教えてもらったとのこと。その後、小学1年生から3年生までの間は習い事のひとつとして「子供将棋スクール」に通っていたが、小学3年生から「三軒茶屋将棋倶楽部」に通い始め、そこで将棋に打ち込むようになった[1][2]

奨励会を目指し始めたのは小学5年生の頃である。ある日、のちの師匠である宮田利男から「奨励会を目指してみないか」と声をかけられ、その条件として「将棋かサッカーか、どちらかを選ぶこと」を提示された。当時は将棋の他に、サッカーのクラブチームにも所属し本気で取り組んでいたが、三度の骨折もありレギュラー落ちの挫折を味わう[3]とともに、将棋が強くなってきているという実感があったこともあり、両者を天秤にかけた結果、将棋を選ぶことにしたという[2]

2010年9月、6級で関東奨励会に入会[4]。入会後は、およそ9ヶ月で5級に昇級した[5]のを端緒に、5級から初段まで2年弱でかけ上がった。

2015年9月、17歳で三段に昇段し[6]、2015年度後期(第58回)より奨励会三段リーグに参加。リーグ戦一期目の成績は8勝10敗であった[7]。三段リーグに入ったばかりの頃のエピソードとして、戸辺誠からの「俺は毎回上がるつもりでやっていた」というアドバイスに衝撃を受けた旨を述べており、この出来事に背中を押してもらったような気がして感動したと述懐している[2]

リーグ二期目は9勝9敗[8]、三期目は10勝8敗[9]と着実に勝ち星を伸ばし、初参加から四期目となる第61回三段リーグにて14勝4敗の成績を上げ、四段昇段を果たした[10]。いわく四期目はとても調子が良く、期の途中から「これは負けないんじゃないか」といった自信を感じるようになっていたという[11]

プロ入り後

2017年10月1日付で四段昇段[12]

2017年度成績は4勝2敗[13]、2018年度成績は16勝23敗[14]であった。

順位戦は第77期(2018年度)から参加し、順に4勝6敗[15]、7勝3敗[16]、5勝5敗[17]の成績となった。

第46期(2020年度)棋王戦において挑戦者決定トーナメントに進出したが、2回戦で阿久津主税に敗れた[18]

2022年1月14日、第72期王将戦一次予選にて上野裕和に勝ち、「四段昇段後、公式戦100勝」という昇段条件を満たしたため、五段に昇段した[19]

第35期竜王戦6組ランキング戦にて準決勝に進出。弟弟子である伊藤匠に敗れるも、9月27日の3位決定戦で服部慎一郎に勝ち、5組へと昇級した[20]第81期順位戦では10戦全勝でC級1組に昇級した。2022年度は全般に好調で、39勝9敗、勝率8割を越えた[21]

棋風

四段昇段時に、得意戦法は横歩取り系だと回答しているが[1]、近年は相掛かりを指すことが多い。

人物

フットサルが趣味。フットサルが流行る前はサッカーに夢中になりすぎて、師匠の宮田から叱責を受けたと本人が述べている[22]。憧れている棋士として羽生善治菅井竜也山崎隆之を挙げ、また目指している棋士像として、自身の強みを「想像力」としつつ、斬新な手を良い結果につなげられるような棋士になりたいと述べている[23]

旧字体で「齋藤」と表記される場合もあるが、連盟公式webでは「斎藤」になっており、本人の揮毫も「斎藤」と書いている。

昇段履歴

昇段規定は、将棋の段級を参照。

  • 2010年09月00日 : 6級、奨励会入会
  • 2013年04月00日 : 初段
  • 2015年03月00日 : 二段
  • 2015年09月00日 : 三段(第58回奨励会三段リーグから三段リーグ参加)
  • 2017年10月01日 : 四段(第61回奨励会三段リーグ優勝)[1][22][24] = プロ入り
  • 2022年01月14日 : 五段(公式戦100勝[25]、通算100勝72敗[26]

主な成績

在籍クラス

竜王戦と順位戦のクラスについては「将棋棋士の在籍クラス」を参照
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
(出典)
(出典)竜王戦
(出典)
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
2017 76 四段昇段前 31 6組 -- 1-2
2018 77 C246 4-6 32 6組 -- 2-2
2019 78 C236 7-3 33 6組 -- 1-2
2020 79 C211 5-5 34 6組 -- 2-2
2021 80 C226 7-3 35 6組 -- 5-1
2022 81 C217 10-0 36 5組 -- 2-2
2023 82 C124 7-3 37 5組 --
2024 83 C108 38 (開始前)
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2017 6 4 2 0.6666 [1]
2018 39 16 23 0.4102 [2]
2019 42 29 13 0.6904 [3]
2020 44 27 17 0.6136 [4]
2017-2020
(小計)
131 76 55
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021 48 30 18 0.6250 [5]
2022 48 39 9 0.8125 [6]
2023 48 31 17 0.6458 [7]
2021-2023
(小計)
144 100 44
通算 275 176 99 0.6400 [8]
2023年度まで

出演

  • BS1スペシャル 羽生善治 と"AI世代" ~絶対王者に挑んだ若手棋士たち~(2018年10月20日、NHK BS-1)斎藤明日斗の目線で進行。ナレーションは斎藤役として小野友樹が担当[27]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f g “新四段誕生のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2017年9月9日). 2020年8月4日閲覧。
  2. ^ a b c “「自分を変えなければ」プロになって一年、斎藤明日斗四段の「これまで」と「これから」【斎藤明日斗四段インタビューvol.1】|将棋コラム|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2021年7月4日閲覧。
  3. ^ “「将棋の神様、と言えば終わる」 斎藤明日斗、25歳の揺れる思い:朝日新聞デジタル” (2023年12月5日). 2023年12月5日閲覧。
  4. ^ “関東奨励会6級以下”. www.shogi.or.jp. 2022年7月16日閲覧。
  5. ^ “関東奨励会5級”. www.shogi.or.jp. 2022年7月16日閲覧。
  6. ^ “関東奨励会二段”. www.shogi.or.jp. 2022年4月8日閲覧。
  7. ^ “第58回奨励会三段リーグ戦”. www.shogi.or.jp. 2022年4月8日閲覧。
  8. ^ “第59回奨励会三段リーグ戦”. www.shogi.or.jp. 2022年4月8日閲覧。
  9. ^ “第60回奨励会三段リーグ戦”. www.shogi.or.jp. 2022年4月8日閲覧。
  10. ^ “第61回奨励会三段リーグ戦”. www.shogi.or.jp. 2022年4月8日閲覧。
  11. ^ “「誰にも負けない自信があった」三段リーグ4期目、その自信の源とは【斎藤明日斗四段インタビューvol.2】|将棋コラム|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2022年4月8日閲覧。
  12. ^ “新四段誕生のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2022年4月8日閲覧。
  13. ^ “2017年度棋士成績・記録|年度別成績・ランキング|成績・ランキング|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2022年4月8日閲覧。
  14. ^ “2018年度棋士成績・記録|年度別成績・ランキング|成績・ランキング|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2022年4月8日閲覧。
  15. ^ “第77期名人戦・順位戦 C級2組”. www.shogi.or.jp. 2021年6月19日閲覧。
  16. ^ “第78期名人戦・順位戦 C級2組”. www.shogi.or.jp. 2021年6月19日閲覧。
  17. ^ “第79期名人戦・順位戦 C級2組”. www.shogi.or.jp. 2021年6月19日閲覧。
  18. ^ “第46期棋王戦挑戦者決定トーナメント/五番勝負”. www.shogi.or.jp. 2021年6月19日閲覧。
  19. ^ “斎藤明日斗四段が五段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2022年4月8日閲覧。
  20. ^ “第35期竜王戦 6組ランキング戦”. www.shogi.or.jp. 2022年10月9日閲覧。
  21. ^ 『2022年度棋士成績・記録』日本将棋連盟。https://www.shogi.or.jp/game/record/archives/2022_ranking.html 
  22. ^ a b 『将棋世界』2017年11月号、マイナビ出版、2017年10月5日。 
  23. ^ “「プロ2年目、自分を変えたい」斎藤四段が語るこれからの目標【斎藤明日斗四段インタビューvol.4】|将棋コラム|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2021年7月4日閲覧。
  24. ^ “第43回「将棋の日」表彰・感謝の式典の模様|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2017年9月9日). 2020年8月4日閲覧。
  25. ^ “斎藤明日斗四段が五段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2022年1月15日). 20220115閲覧。
  26. ^
    • 対局前日(2022年1月13日)時点での通算成績は「99勝」、同日の勝利で「100勝」に到達。「72敗」には後日放送のテレビ棋戦(第71回NHK杯本戦3回戦、第30期銀河戦本戦Fブロック2回戦)2局の2敗を含む。
    • “通算成績|成績・ランキング|日本将棋連盟” (2022年1月14日). 2022年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月14日閲覧。
  27. ^ 日本放送協会. “BS1スペシャル - NHK”. BS1スペシャル - NHK. 2018年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年10月27日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • 斎藤明日斗|棋士データベース|日本将棋連盟
  • チーム永瀬 (@abT5_nagase) - X(旧Twitter)(第5回ABEMAトーナメント)
日本将棋連盟所属棋士 (現役棋士 および 2024年度引退棋士)
タイトル
保持者
【九段 6名】
【七段 1名】

永世称号 襲位者0
永世称号 有資格者

九段
【26名】
八段
【33名】
七段
【44名】
六段
【27名】
五段
【20名】
四段
【15名】
2024年度
引退棋士
 九段  青野照市(2024年6月13日引退)
 八段  室岡克彦(2024年6月18日引退)
 八段  中座真(2024年6月19日引退)
 七段  伊奈祐介(2024年5月10日引退)
現役棋士 全172名(2024年7月23日時点、日本将棋連盟所属) / は2024年度の昇段 / 引退棋士の()は引退日 / 詳細は将棋棋士一覧を参照
第37期竜王戦ランキング戦
竜王
1組
(定員16名)
2組
(定員16名)
3組
(定員16名)
4組
(定員32名)
5組
(定員32名)
6組
(参加70名)
女流棋士
アマチュア
  • 慶田義法アマ
  • 竹内広也アマ
  • 小林康太郎アマ
  • 中川慧梧アマ
  • (出場4名)
奨励会員
次期から出場
★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。
名人
A級
B級1組
B級2組
C級1組
C級2組
フリー
クラス
宣言
棋戦限定
出場

2024年度
引退者

先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの数字は在籍可能残り年数(2024年度開始時点)
B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点 2で降級、C級2組は降級点 3で降級)
詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照
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