宮田敦史

曖昧さ回避 元自衛隊員・北朝鮮研究者の「宮田敦司」とは別人です。
 宮田 敦史 七段
名前 宮田 敦史
生年月日 (1981-06-05) 1981年6月5日(43歳)
プロ入り年月日 2001年10月1日(20歳)
棋士番号 241
出身地 日本の旗 日本埼玉県吉川市
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 所司和晴七段
段位 七段
棋士DB 宮田 敦史
2021年3月10日現在
テンプレートを表示

宮田 敦史(みやた あつし、1981年6月5日 - )は、将棋棋士。所司和晴門下。棋士番号は241。埼玉県吉川市出身。聖学院中学校・高等学校出身[1][2][3]

棋歴

将棋を始めたのは小学2年生の頃[4]詰将棋を解く能力に優れるなど、終盤の読みの正確さで、「スーパーあつし君」のニックネームで呼ばれる。デビュー以来、7割前後の年度勝率を連発し、特定の棋戦で派手な実績はなかったものの、同じ所司門の渡辺明、松尾歩とともに実力者であるとされている。

初参加の第15期(2002年度)竜王戦6組で優勝し、5組昇級。挑戦者決定トーナメントでは、初戦で同門の松尾歩に敗れる。

2度目の参加となる第62期(2003年度)順位戦C級2組で9勝1敗・1位の成績を収め、C級1組へ昇級(五段昇段)。

第17期(2004年度)竜王戦5組準決勝で敗れるも、昇級者決定戦を制し、4組へ昇級。

2004 - 2005年度、朝日オープン将棋選手権にて、2年連続でベスト8。

体調不良により2006年夏頃から不戦敗が続き、2006年12月20日から2008年3月31日までの間は、休場届により休場した。休場届の前、第37期(2006年)新人王戦では、準決勝を不戦敗とした。2007年5月に退院し、体力回復後は研究会を7つも掛け持ちして参加したり、連日将棋会館の控え室で他の棋士と一緒に深夜まで対局の検討に参加するなど精力的に将棋の研究を続けていた。公式戦への復帰は予定通り2008年4月。この年度は全棋士中1位の勝率0.757(28勝9敗)を挙げ、順位戦の降級点も消すなどする見事な復帰を果たし、将棋大賞で初の受賞(勝率1位賞)をした。

2012年、54期王位戦予選を勝ち抜き王位リーグに出場。大石直嗣に勝利したのみで1勝4敗に終わり、リーグ陥落を余儀なくされた。

エピソード

詰将棋解答選手権」のチャンピオン戦において過去6回(第1回 - 第3回、第5回 - 第6回、第10回)優勝するという無敵ぶりで、詰将棋を解く力はプロアマを含む将棋界でトップクラスである。第3回の開催にあたっては、宮田が出場しなければ参加者のレベルが下がるため、宮田が出場するかどうかで問題を差し替えることも検討されていたという。その実績から、2017年には藤井聡太とともに門脇芳雄賞[5]を受賞している。

2009年1月4日放送の「大逆転将棋2009」では、詰将棋の早解きコーナーへ初参戦して優勝。前年の同コーナーでのプロ棋士の成績が惨たんたるものであったため、宮田は優勝のインタビューで「日本将棋連盟の面目を保った」と語った。2010年1月1日放送の「大逆転将棋2010」では、広瀬章人との競り合いの末、2連覇(宮田100問、広瀬99問)。

棋士仲間との研究会に参加したときのこと。宮田がお茶を湯飲みに入れている途中に、他の棋士が「この手はどうでしょうか」と宮田に話しかけたところ、宮田はうっかりお茶を注ぐのをやめずに、あふれさせてしまった。宮田の将棋に対する集中力の高さを示す逸話である。

また、2008年度A級順位戦最終局「将棋界の一番長い日」(2009年3月3日)の生中継(NHK BS2)において、同門の渡辺明竜王(当時)とともにゲスト解説をした際は、テレビ画面に自分の姿が映し出され続けているにもかかわらず、局面に集中して考え込み、コメントが少なくなったり、カメラに背を向けてしまうような所作が見られた。

ドラえもんに対する造詣が深く、同じくドラえもんに詳しいと称する瀬川晶司と「将棋世界」誌の企画でドラえもんに関するクイズ対決を行ったことがある(結果は微差で宮田が勝った)。

昇段履歴

昇段規定については「将棋の段級」を参照
  • 1992年00月00日 : 6級 = 奨励会入会
  • 1997年12月00日 : 三段(第23期奨励会三段リーグからリーグ参加)
  • 2001年10月01日 : 四段(第29期奨励会三段リーグ成績1位) = プロ入り
  • 2004年04月01日 : 五段(順位戦C級1組昇級、通算68勝27敗)[6]
  • 2010年09月03日 : 六段(勝数規定 /五段昇段後公式戦120勝、通算188勝105敗)[7]
  • 2018年05月25日 : 七段(勝数規定 /六段昇段後公式戦150勝、通算338勝220敗)[8]

主な成績

非公式戦

  • 近将カップ 優勝1回(2005年)

将棋大賞

  • 2008年度 勝率1位賞(0.757)

在籍クラス

竜王戦順位戦のクラスについては「将棋棋士の在籍クラス」を参照
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
(出典)
(出典)竜王戦
(出典)
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
2001 60 昇段前 15 6組 0-1 5-0
2002 61 C242 7-3 16 5組 -- 2-2
2003 62 C209 9-1 17 5組 -- 4-1
2004 63 C127 8-2 18 4組 -- 4-2
2005 64 C102 7-3 19 4組 -- 3-2
2006 65 C104x 0-10
不戦 8
20 4組 -- 0-3
2007 66 C131* 休場 21 5組 -- 休場
2008 67 C131*+ 7-3 22 5組 -- 1-2
2009 68 C108 7-3 23 5組 -- 4-2
2010 69 C106 7-3 24 5組 -- 1-2
2011 70 C107 4-6 25 5組 -- 1-2
2012 71 C123 8-2 26 5組 -- 2-2
2013 72 C105 5-5 27 5組 -- 4-2
2014 73 C115 3-7 28 5組 -- 3-2
2015 74 C126 4-6 29 5組 -- 4-2
2016 75 C127 6-4 30 5組 -- 6-1
2017 76 C111 8-2 31 4組 -- 2-2
2018 77 C105 6-4 32 4組 -- 1-2
2019 78 C110 5-5 33 4組 -- 4-2
2020 79 C114x 3-7 34 4組 -- 1-2
2021 80 C133*+ 6-4 35 4組 -- 1-2
2022 81 C113 7-3 36 4組 -- 3-2
2023 82 C105 5-5 37 4組 -- 1-2
2024 83 C114 38
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2001 11 8 3 0.7273 [1]
2002 43 30 13 0.6977 [2]
2003 41 30 11 0.7317 [3]
2004 39 27 12 0.6923 [4]
2005 41 26 15 0.6341 [5]
2006 28 8 20 0.2857 [6]
2007 3 0 3 0.0000 [7]
2008 37 23 14 0.7568 [8]
2009 37 23 14 0.6216 [9]
2010 30 15 15 0.5000 [10]
2001-2010
(小計)
310 190 120
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2011 26 12 14 0.4615 [11]
2012 36 22 14 0.6111 [12]
2013 35 19 16 0.5429 [13]
2014 33 15 18 0.4545 [14]
2015 38 21 17 0.5526 [15]
2016 38 24 14 0.6316 [16]
2017 38 26 12 0.6842 [17]
2018 30 14 16 0.4667 [18]
2019 35 19 16 0.5429 [19]
2020 34 15 19 0.4412 [20]
2011-2020
(小計)
355 187 168
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021 26 13 13 0.5000 [21]
2022 35 21 14 0.6000 [22]
2023 31 15 16 0.4839 [23]
2021-2023
(小計)
92 49 43
通算 746 431 315 0.5777 [24]
2023年度まで

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 将棋の聖学院!?? - 聖学院生涯学習センターBLOG・2009年4月14日
  2. ^ “聖学院中学校・高等学校同窓会”. Facebook. 2021年2月26日閲覧。
  3. ^ “ATSUSHI MIYATA Twitter 2021年2月16日”. Twitter. 2021年2月26日閲覧。(「中卒」)
  4. ^ “【チャンピオン戦出場者インタビュー】第12回 宮田敦史五段 - 詰将棋解答選手権 速報ブログ”. 【チャンピオン戦出場者インタビュー】第12回 宮田敦史五段 - 詰将棋解答選手権 速報ブログ. 2021年2月26日閲覧。
  5. ^ 詰将棋の普及・発展に貢献した人に与えられる賞
  6. ^ “日本将棋連盟からのお知らせ(2004年4月4日時点のアーカイブ)”. web.archive.org (2004年4月4日). 2024年7月22日閲覧。
  7. ^ “宮田敦史五段が六段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2024年7月22日閲覧。
  8. ^ “宮田敦史六段が七段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2024年7月22日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • 日本将棋連盟プロフィール
  • ATSUSHI MIYATA (@atsushi_miyata) - X(旧Twitter)
日本将棋連盟所属棋士 (現役棋士 および 2024年度引退棋士)
タイトル
保持者
【九段 6名】
【七段 1名】

永世称号 襲位者0
永世称号 有資格者

九段
【26名】
八段
【33名】
七段
【44名】
六段
【27名】
五段
【20名】
四段
【15名】
2024年度
引退棋士
 九段  青野照市(2024年6月13日引退)
 八段  室岡克彦(2024年6月18日引退)
 八段  中座真(2024年6月19日引退)
 七段  伊奈祐介(2024年5月10日引退)
現役棋士 全172名(2024年7月23日時点、日本将棋連盟所属) / は2024年度の昇段 / 引退棋士の()は引退日 / 詳細は将棋棋士一覧を参照
第37期竜王戦ランキング戦
竜王
1組
(定員16名)
2組
(定員16名)
3組
(定員16名)
4組
(定員32名)
5組
(定員32名)
6組
(参加70名)
女流棋士
アマチュア
  • 慶田義法アマ
  • 竹内広也アマ
  • 小林康太郎アマ
  • 中川慧梧アマ
  • (出場4名)
奨励会員
次期から出場
★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。
名人
A級
B級1組
B級2組
C級1組
C級2組
フリー
クラス
宣言
棋戦限定
出場

2024年度
引退者

先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの数字は在籍可能残り年数(2024年度開始時点)
B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点 2で降級、C級2組は降級点 3で降級)
詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
前年度の活躍が対象
典拠管理データベース ウィキデータを編集
全般
  • VIAF
国立図書館
  • 日本