小林裕士

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 小林裕士 八段
名前 小林裕士
生年月日 (1976-09-29) 1976年9月29日(47歳)
プロ入り年月日 1997年4月1日(20歳)
棋士番号 223
出身地 京都府
所属 日本将棋連盟(関西)
師匠 田中魁秀九段
段位 八段
棋士DB 小林裕士
2023年12月13日現在
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小林 裕士(こばやし ひろし、1976年9月29日 - )は、将棋棋士。田中魁秀九段門下。棋士番号は223。京都府出身。

棋歴

1997年4月、プロデビュー。

初参加の第11期(1998年度)竜王戦6組で準優勝(優勝は北島忠雄)し、5組へ昇級。

第12期も5組3位決定戦で勝ち、4組へ連続昇級[注 1]

2000年度、第59期C級2組順位戦で8勝2敗の成績を収め、44人中3位でC級1組に昇級(五段昇段)。

第74期(2003年度)棋聖戦で、島朗三浦弘行を破り、ベスト8進出。

2006年度、第14期銀河戦で準優勝。トーナメント出場者を決めるブロック戦では中村修(8回戦)・堀口一史座(9回戦)・鈴木大介(10回戦)らを破り、11回戦で羽生善治に敗れるまで6連勝して、本戦トーナメントに進出。ここでも森下卓(1回戦)、川上猛(2回戦)、丸山忠久(準決勝)を破って決勝進出、再び羽生善治との決戦となったが敗れた。第47期王位戦でリーグ進出。深浦康市に勝利するが、2勝3敗でリーグ残留はならず。

竜王戦では前述の連続昇級以降長らく4組に留まっていたが、第23期(2010年度)に4組で準優勝(優勝は村山慈明)し初の3組昇級を決めた。

第24期も3組3位決定戦で勝ち、2組へ連続昇級。竜王戦の昇段規定により、段位は七段となった。

2組在位2年目で迎えた第26期では木村一基(1回戦)、畠山鎮(2回戦)、松尾歩(準決勝)、豊島将之(決勝)を破り、竜王戦出場16年目で初めてランキング戦優勝・本戦出場[注 2]・1組昇級を達成した。本戦では初戦(1組3位の対羽生善治戦)で敗退した。

第2期(2016年度)叡王戦で予選七段戦を勝ち抜き本戦に進出。本戦1回戦で久保利明に敗れた。

タイトル戦に昇格した第3期(2017年度)叡王戦でも予選七段戦を勝ち抜き2年連続の本戦進出。本戦2回戦で丸山忠久に敗れた。

竜王戦で第33期2組ランキング戦の2回戦以降、第34期(2組)第35期(3組)第36期(4組)までの9連敗を喫して、5組まで3期連続降級(第34-36期)した。

棋風

勢いのある攻めを好む居飛車党であり、NHK杯戦銀河戦など早指しの棋戦で実力を発揮する。しかし、2006年の第25回朝日オープン将棋選手権予選観戦記によると、関西の先輩である谷川浩司はその勢いと感覚に任せた指し口が裏目に出かねないと苦言を呈していた[1]

人物

身長が185cm前後、体重は90kg前後[2]と、棋界屈指の大柄な体格の持ち主であり、テニス野球を趣味とする[2]。また、競馬麻雀を好み、愛読しているのは阿佐田哲也の作品ということで、ギャンブル好きの側面もある[2]

昇段履歴

昇段規定については「将棋の段級」を参照
  • 1990年00月00日 : 6級 = 奨励会入会
  • 1993年00月00日 : 初段
  • 1997年04月01日 : 四段 = プロ入り
  • 2001年04月01日 : 五段(順位戦C級1組昇級、通算95勝55敗)[3][4]
  • 2006年04月05日 : 六段(勝数規定 /五段昇段後公式戦120勝、通算215勝)[5]
  • 2011年10月12日 : 七段(竜王戦連続昇級、通算330勝)[6]
  • 2023年12月12日 : 八段(勝数規定 /七段昇段後公式戦190勝、通算520勝409敗)[7][8]

主な成績

在籍クラス

竜王戦と順位戦のクラスについては「将棋棋士の在籍クラス」を参照
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
(出典)
(出典)竜王戦
(出典)
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
1997 56 C249 7-3 11 6組 -- 4-1
1998 57 C210 6-4 12 5組 -- 4-1
1999 58 C214 6-4 13 4組 -- 4-2
2000 59 C210 8-2 14 4組 -- 1-2
2001 60 C125 2-8 15 4組 -- 2-2
2002 61 C130 7-3 16 4組 -- 2-2
2003 62 C106 7-3 17 4組 -- 2-2
2004 63 C107 6-4 18 4組 -- 4-2
2005 64 C107 6-4 19 4組 -- 3-2
2006 65 C109 6-4 20 4組 -- 1-2
2007 66 C110 6-4 21 4組 -- 1-2
2008 67 C108 6-4 22 4組 -- 1-2
2009 68 C111 6-4 23 4組 -- 4-1
2010 69 C110 8-2 24 3組 -- 3-1
2011 70 C104 6-4 25 2組 -- 1-2
2012 71 C110 6-4 26 2組 0-1 4-0
2013 72 C112 5-5 27 1組 -- 0-2
2014 73 C116 5-5 28 2組 -- 0-2
2015 74 C115 5-5 29 3組 -- 3-2
2016 75 C121 8-2 30 3組 -- 4-1
2017 76 C103 6-4 31 2組 -- 1-2
2018 77 C110 4-6 32 2組 -- 1-2
2019 78 C124 2-8 33 2組 -- 1-2
2020 79 C136 3-7 34 2組 -- 0-2
2021 80 C201 5-5 35 3組 -- 0-2
2022 81 C222 3-7 36 4組 -- 0-3
2023 82 C243 3-7 37 5組 -- 2-2
2024 83 C244 38 5組 --
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
1997 32 21 11 0.6560 [9]
1998 31 20 11 0.6450 [10]
1999 39 20 19 0.5130 [11]
2000 48 34 14 0.7083 [12]
1997-2000
(小計)
150 95 55
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2001 37 17 20 0.4594 [13]
2002 43 26 17 0.6046 [14]
2003 36 23 13 0.6388 [15]
2004 42 27 15 0.6428 [16]
2005 42 26 16 0.6190 [17]
2006 41 23 18 0.5610 [18]
2007 37 22 15 0.5946 [19]
2008 30 19 11 0.6333 [20]
2009 41 25 16 0.6098 [21]
2010 34 23 11 0.6765 [22]
2001-2010
(小計)
383 231 152
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2011 28 14 14 0.5000 [23]
2012 33 18 15 0.5454 [24]
2013 34 21 13 0.6176 [25]
2014 31 14 17 0.4516 [26]
2015 30 16 14 0.5333 [27]
2016 34 19 15 0.5588 [28]
2017 35 23 12 0.6571 [29]
2018 32 13 19 0.4062 [30]
2019 29 11 18 0.3793 [31]
2020 37 16 21 0.4324 [32]
2011-2020
(小計)
323 165 158
1997-2020
(塁計)
856 491 365
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021 29 13 16 0.4482 [33]
2022 28 10 18 0.3571 [34]
2023 30 13 17 0.4333 [35]
2021-2023
(小計)
87 36 51
通算 943 527 416 0.5588 [36]
2023年度まで

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 当時は竜王戦連続2回昇級に伴う昇段の規定がまだなかったため、四段のままとなった。
  2. ^ 竜王戦2組は、準優勝以上2名が本戦入りとなるため、小林の本戦出場は準決勝の対松尾戦に勝利した時点で確定していた。

出典

  1. ^ 第25回朝日オープン将棋選手権観戦記予選第16局第3譜|朝日新聞デジタル、2018年2月2日閲覧
  2. ^ a b c 平成10年版「将棋年鑑」(日本将棋連盟
  3. ^ “4月1日付・昇段昇級者(日本将棋連盟からのお知らせ)”. 2001年4月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月13日閲覧。
  4. ^ #年度別成績
  5. ^ “日本将棋連盟”. 2006年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月13日閲覧。
  6. ^ “小林裕士六段が七段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟” (2011年10月14日). 2023年12月13日閲覧。
  7. ^ “小林裕士七段が八段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟” (2023年12月13日). 2023年12月13日閲覧。
  8. ^ 「通算成績(2023年12月12日対局分まで、未放映のテレビ対局を除く)|成績・ランキング」『日本将棋連盟』。2023年12月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  9. ^ 1997年度成績|日本将棋連盟(2016年8月15日時点のアーカイブ)
  10. ^ 1998年度成績|日本将棋連盟(2016年8月15日時点のアーカイブ)
  11. ^ 1999年度成績|日本将棋連盟(2016年8月15日時点のアーカイブ)
  12. ^ 2000年度成績|日本将棋連盟(2016年8月15日時点のアーカイブ)
  13. ^ 2001年度成績|日本将棋連盟(2016年8月15日時点のアーカイブ)
  14. ^ 2002年度成績|日本将棋連盟(2016年8月15日時点のアーカイブ)
  15. ^ 2003年度成績|日本将棋連盟(2016年8月15日時点のアーカイブ)
  16. ^ 2004年度成績|日本将棋連盟(2016年8月15日時点のアーカイブ)
  17. ^ 2005年度成績|日本将棋連盟(2016年8月15日時点のアーカイブ)
  18. ^ 2006年度成績|日本将棋連盟(2016年8月15日時点のアーカイブ)
  19. ^ 2007年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  20. ^ 2008年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  21. ^ 2009年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  22. ^ 2010年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  23. ^ 2011年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  24. ^ 2012年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  25. ^ 2013年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  26. ^ 2014年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  27. ^ 2015年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  28. ^ 2016年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  29. ^ 2017年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  30. ^ 2018年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  31. ^ 2019年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  32. ^ 2020年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  33. ^ 2021年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  34. ^ 2022年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  35. ^ 2023年度棋士成績・記録|成績・ランキング|日本将棋連盟
  36. ^ 通算成績(2024年3月31日対局分まで)|成績・ランキング|日本将棋連盟(2024年4月1日時点のアーカイブ)

関連項目

外部リンク

  • 日本将棋連盟 プロフィール
  • チームエントリー (@abT_entry) - X(旧Twitter)
日本将棋連盟所属棋士 (現役棋士 および 2024年度引退棋士)
タイトル
保持者
【九段 6名】
【七段 1名】

永世称号 襲位者0
永世称号 有資格者

九段
【26名】
八段
【33名】
七段
【44名】
六段
【27名】
五段
【20名】
四段
【15名】
2024年度
引退棋士
 九段  青野照市(2024年6月13日引退)
 八段  室岡克彦(2024年6月18日引退)
 八段  中座真(2024年6月19日引退)
 七段  伊奈祐介(2024年5月10日引退)
現役棋士 全172名(2024年7月23日時点、日本将棋連盟所属) / は2024年度の昇段 / 引退棋士の()は引退日 / 詳細は将棋棋士一覧を参照
第37期竜王戦ランキング戦
竜王
1組
(定員16名)
2組
(定員16名)
3組
(定員16名)
4組
(定員32名)
5組
(定員32名)
6組
(参加70名)
女流棋士
アマチュア
  • 慶田義法アマ
  • 竹内広也アマ
  • 小林康太郎アマ
  • 中川慧梧アマ
  • (出場4名)
奨励会員
次期から出場
★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。
名人
A級
B級1組
B級2組
C級1組
C級2組
フリー
クラス
宣言
棋戦限定
出場

2024年度
引退者

先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの数字は在籍可能残り年数(2024年度開始時点)
B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点 2で降級、C級2組は降級点 3で降級)
詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照
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