玉緑茶(たまりょくちゃ)は九州中北部で生産されている日本茶の一種[1]。煎茶等の葉が細長い針状の形をしているのに対して、まが玉のような形状をしているのが特徴である。製法により釜炒り製と蒸し製とに分かれる。嬉野市を代表的な産地とする[1]。
釜炒り製玉緑茶
日本の緑茶類の中でほぼ唯一、釜炒り製法で作られる玉緑茶。(番茶類には釜炒り製法もある。)中国の製茶法が九州に伝えられたもので、佐賀県の嬉野茶や宮崎県、熊本県の青柳茶が知られている[2]。直径1メートルほどの半球状の鋳鉄製の釜を無水で熱し、そこに茶葉を入れ酵素の活性を失わせる(殺青、失活)。嬉野では45~50度に傾斜させるようにかまどを築くのに対し、青柳茶は水平の釜を用いる[3]。
蒸し製玉緑茶
その名の通り、釜炒りに代えて蒸しによって茶葉の酵素の活性を失わせる製茶法であるが、一般の煎茶の製茶法のような精揉の工程が無く勾玉状の形状となる。大正末期ごろ、旧ソ連向けの輸出用に作られ始めた。釜炒り製に比べ効率良く製造できるので従来釜炒り法で作られていた産地も多くが蒸し製に転換してきて、釜炒り製は少数となってきている[4]。
外部リンク
関連項目
脚注
- ^ a b 日本茶の種類 玉緑茶緑茶百科
- ^ 日本茶のすべてがわかる本 日本茶検定委員会監修 2008.11 ISBN 978-4-540-08187-3 p.16-17
- ^ 日本茶全書 生産から賞味まで 淵之上 康元 農山漁村文化協会 1999.4 ISBN 4-540-98213-3 p.154
- ^ 日本茶のすべてがわかる本 日本茶検定委員会監修 2008.11 ISBN 978-4-540-08187-3 p.17
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