AFCチャンピオンズリーグ2019 決勝(エーエフシーチャンピオンズリーグ2019 けっしょう、英語: AFC Champions League 2019 Final)は、2019年11月9日および11月24日(いずれも現地時間)に開催される、アジアサッカー連盟(AFC)により開催されたAFCチャンピオンズリーグ2019の決勝戦であり、17回目のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝戦である(AFCアジアクラブ選手権時代を含めると38回目)。
出場チーム
出場チームは、西地区を勝ち上がったアル・ヒラル(サウジアラビア)と、東地区を勝ち上がった浦和レッズ(日本)の2チーム[1]。両者は2017年大会の決勝で顔を合わせており(この時は浦和が1勝1分で優勝)、両チームともこの時以来2年ぶりの決勝進出となる[2]。
会場
ACLの決勝は2013年以降ホーム・アンド・アウェー方式で開催されており、第1戦がアル・ヒラルのホームであるキングサウード大学スタジアム(「サウード国王大学スタジアム」とも[3]。リヤド)、第2戦が浦和のホームである埼玉スタジアム2002(さいたま市)で開催される。前回アル・ヒラルが決勝に進出したときは同じリヤドにあるキング・ファハド国際スタジアムをホームスタジアムとして使用しており、キングサウード大学スタジアムでACL決勝が行われるのは初めて。一方、埼玉スタジアム2002でACL決勝が行われるのは浦和がACL決勝に進出した2007年・2017年以来3回目で、過去いずれもホーム・アンド・アウェーの第2戦として行われている。
決勝戦までの道のり
註: 以下のすべての結果は、決勝戦進出2クラブの得点を前に表示している。
試合
第1戦
アル・ヒラルのホームとなる第1戦、浦和は準決勝までの全試合にフル出場していたGK西川周作が準決勝第2戦の警告で累積警告による出場停止となり、プロ入り4年目、8日前の鹿島アントラーズ戦でJ1初出場を果たしたばかりのGK福島春樹に出番が回ってくることになった[4]。
試合はボールポゼッションを高めて相手にプレッシャーをかけるアル・ヒラルと、コンパクトな陣形からカウンターを狙う浦和という形となり、序盤からアル・ヒラルが攻勢に出る場面を多く作り出した[5]。前半14分にはアル・ヒラルFWセバスティアン・ジョヴィンコのゴール正面でのシュートを浦和DF鈴木大輔が身を挺してブロック、その3分後には逆に浦和MF関根貴大がフリーで放ったシュートをアル・ヒラルDFアリー・アール=ブライヒーがブロック。前半29分にはアル・ヒラルFWジョヴィンコが放ったシュートが浦和GK福島の脇をかすめるが、ゴールライン上で浦和MF青木拓矢がはじき返して得点を許さない[5]。前半33分にはコーナーキックに頭で合わせたアル・ヒラルMFアンドレ・カリージョのシュートを浦和GK福島がはじき出し、さらにその4分後にもアル・ヒラルFWジョヴィンコのペナルティエリア内のシュートにも浦和GK福島が反応する[6] など、両チーム無得点で前半を終える。
後半に入ってもアル・ヒラルの攻勢は続き、ついに後半15分、サイドからのアル・ヒラルDFモハメド・アル=ブライクのクロスに浦和GK福島が目測を誤り、福島の頭上を越えた先のクロスに飛び込んだアル・ヒラルMFカリージョが頭で押し込み、アル・ヒラルが先制する[7]。その後もアル・ヒラルが攻勢を強め決定機を何度も作り出すも、浦和がGK福島の好セーブを中心に追加点を許さず[7]、ボールポゼッション率69.7%対30.3%、シュート数22本対2本とアル・ヒラルの猛攻に圧倒されながらも、最少失点で第2戦を迎えることになった。
第2戦
迎えた浦和のホーム・埼玉スタジアム2002で迎えた第2戦、浦和はGKを西川周作に戻した以外は第1戦と同じメンバーを起用する。一方のアル・ヒラルは第1戦とメンバーを変えずに臨んだ。
逆転優勝のためには2得点以上が必要な浦和だったが、第1戦同様ボールを保持するアル・ヒラルに対し浦和はカウンターを仕掛けて攻勢に出るも、前半10分に左サイドからのクロスに反応したMF橋岡大樹はGKアブドゥラー・アル=マイウフのブロックに遭いシュートまで持ち込めず、前半24分の突破からのMF長澤和輝の落としに反応したMF関根貴大のシュートは相手DF陣のカバーに阻まれ得点ならず、前半はスコアレス折り返す[8][9]。
迎えた後半、立ち上がりからアル・ヒラルが押し込む展開が続き、浦和はMF柏木陽介、FW杉本健勇を相次いで投入して状況の打開を図る[9]も、逆に後半29分、MFサルマーン・アル=ファラジュが左サイドを駆け上がったFWセバスティアン・ジョヴィンコに展開すると、そこからの折り返しをMFサーレム・アッ=ドーサリーが押し込んで、逆にアル・ヒラルが先制する[8]。これで3得点が必要になった浦和だが、守備を固めるアル・ヒラルの前にゴールに迫ることができず、逆に後半アディショナルタイム、MFアンドレ・カリージョからのクロスにFWバフェティンビ・ゴミスが合わせてダメ押し点を挙げ万事休す[9]。2戦合計3-0で、2017年大会の雪辱を果たしたアル・ヒラルがACL初優勝(前身大会を含めるとアジアクラブ選手権1999-2000以来19年ぶり3回目の優勝)を遂げた。
脚注
[脚注の使い方]
- ^ “サッカー=ACL、浦和が広州恒大下し決勝進出”. ロイター. (2019年10月24日). https://jp.reuters.com/article/soccer-idJPKBN1X300T 2019年10月28日閲覧。
- ^ “11月9日、24日のACL決勝は浦和vsアル・ヒラルに決定!浦和がアジア制覇の2年前と同じ対戦相手”. GOAL.com (2019年10月23日). 2019年10月28日閲覧。
- ^ 『AFCチャンピオンズリーグ2019 決勝 マッチスケジュール決定』(プレスリリース)日本サッカー協会、2019年10月25日。http://www.jfa.jp/news/00023237/。2019年10月25日閲覧。
- ^ 轡田哲朗 (2019年11月11日). “ACL逆転優勝へ2つのビッグセーブ。浦和を救った福島春樹の「手首」。”. Number Web. 2019年11月11日閲覧。
- ^ a b “Final - 1st Leg: Al Hilal SFC (KSA) 1-0 Urawa Red Diamonds (JPN)”. AFC.com (2019年11月9日). 2019年11月11日閲覧。
- ^ “浦和 GK福島が好守連発もACL決勝第1戦は0-1完敗…ペルー代表MFカリージョ抑えられず”. スポーツニッポン. (2019年11月10日). https://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2019/11/09/kiji/20191110s00002181167000c.html 2019年11月12日閲覧。
- ^ a b “浦和GK福島春樹「経験不足」失点悔やむも好守連発”. 日刊スポーツ. (2019年11月10日). https://www.nikkansports.com/soccer/news/201911100000031.html 2019年11月11日閲覧。
- ^ a b “Jリーグ勢ACL3連覇ならず…浦和、ホームで逆転優勝狙うも“2連敗”で終戦”. ゲキサカ (2019年11月24日). 2020年3月20日閲覧。
- ^ a b c “浦和2年ぶりのアジア制覇はならず…2戦合計0-3でアル・ヒラルに初優勝を許す”. サッカーキング (2019年11月24日). 2020年3月20日閲覧。
関連項目
外部リンク
- AFC Champions League the-AFC.com
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