援助 (クルアーン)

援助
النصر
An-Naṣr
アン・ナスル
援助
啓示 メディナ啓示
章題の意味 この啓示後の80日にアル・マディーナにおいて逝去した聖預言者の大念願が成就され、全アラビア教化されたのを見とどけ、勝利は永年にわたる努力奉仕の賜物として、アッラーから下ったのである[1]
詳細
スーラ 第110章
アーヤ 全3節
ジュズウ 30番
語数 19語
文字数 80文字
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援助アン・ナスルアラビア語: سورة النصر‎)とは、クルアーンにおける第110番目の章(スーラ)。3つの節(アーヤ)から成る。632年のメッカへの大巡礼の際に下された啓示であるとされており、ムハンマドはその80日後に死亡したとされている[1]。第110章というクルアーンの終盤に位置しており非常に短い章構成であることから一見すればマッカ初期の啓示の特徴を有しているスーラであるが、その内容や文体からもメディナ期の啓示であるとされる[2]

内容

アッラーフを称え、許しを乞うことを命じる章である。ハディースによれば、「援助と勝利が来たとき」とはムハンマドの死期を示す比喩であるとされている[3]。第1節に記されている「勝利」とは、圧倒的多数のメッカ軍に対してムハンマド率いるメディナ軍が奇跡的な勝利を収めたバドルの戦いを指している[4]。この啓示を受けた後、ムハンマドはアッラーフの命じる通り礼拝の際に必ずこの章の第3節の言葉を唱えていたとされる[3]

脚注・出典

  1. ^ a b 日本ムスリム情報事務所 聖クルアーン日本語訳
  2. ^ 井筒 (1958) 368頁。
  3. ^ a b 牧野 (2001) 538-540頁。
  4. ^ ベル (2003) 395頁。

参考文献

外部リンク

  • 日本ムスリム情報事務所 聖クルアーン日本語訳
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スーラ 全114章
ジュズウ (章)

章題

1〜13 01-)
  • 開端
  • 雌牛*
  • イムラーン家*
  • 婦人
  • 食卓
  • 家畜
  • 高壁۩*
  • 戦利品
  • 悔悟
  • ユーヌス*
  • フード*
  • ユースフ*
  • 雷電۩*
  • イブラーヒーム*
14 (15-)
  • アル・ヒジュル*
  • 蜜蜂۩
15〜16 (17-)
  • 夜の旅۩
  • 洞窟
  • マルヤム۩*
  • ター・ハー*
17 (21-)
  • 預言者
  • 巡礼۩
18〜25 (23-)
  • 信者たち
  • 御光
  • 識別۩
  • 詩人たち*
  • 蟻۩*
  • 物語*
  • 蜘蛛*
  • ビザンチン*
  • ルクマーン*
  • アッ・サジダ۩*
  • 部族連合
  • サバア
  • 創造者
  • ヤー・スィーン*
  • 整列者
  • サード۩*
  • 集団
  • ガーフィル*
  • フッスィラ۩*
  • 相談*
  • 金の装飾*
  • 煙霧*
  • 跪く時*
26〜27 (46-)
  • 砂丘*
  • ムハンマド
  • 勝利
  • 部屋
  • カーフ*
  • 撒き散らすもの
  • 星۩
  • 慈悲あまねく御方
  • 出来事
28 (58-)
  • 抗弁する女
  • 集合
  • 試問される女
  • 戦列
  • 合同礼拝
  • 偽信者たち
  • 騙し合い
  • 離婚
  • 禁止
29 (67-)
  • 大権
  • 筆*
  • 真実
  • 階段
  • ヌーフ
  • 幽精
  • 衣を纏う者
  • 包る者
  • 復活
  • 人間
  • 送られるもの
30 (78-)
  • 消息
  • 引き離すもの
  • 眉をひそめて
  • 包み隠す
  • 裂ける
  • 量を減らす者
  • 割れる۩
  • 星座
  • 夜訪れるもの
  • 至高者
  • 圧倒的事態
  • 太陽
  • 胸を広げる
  • 無花果
  • 凝血۩
  • みいつ
  • 明証
  • 地震
  • 進撃する馬
  • 恐れ戦く
  • 蓄積
  • 時間
  • 中傷者
  • クライシュ族
  • 慈善
  • 潤沢
  • 不信者たち
  • 援助
  • 棕櫚
  • 純正
  • 黎明
  • 人々
関連項目
太字۩の計14章=サジダ節あり (22「巡礼」のみ2節で計15)。 *の計29章=章の冒頭に神秘文字あり。
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