伊藤達彦 (陸上選手)

伊藤 達彦
Tatsuhiko ITO
Portal:陸上競技
第106回 日本陸上競技選手権大会
10000m決勝
(5月7日 国立競技場)
選手情報
フルネーム いとう たつひこ
ラテン文字 Tatsuhiko ITO
国籍 日本の旗 日本
競技 陸上競技
種目 長距離種目
大学 東京国際大学
チーム Honda陸上競技部
生年月日 (1998-03-23) 1998年3月23日(26歳)
出身地 静岡県の旗静岡県浜松市
身長 170cm
体重 52kg
1500m 3分40秒34(2024年)
5000m 13分13秒56(2024年)
10000m 27分25秒73(2020年)
ハーフマラソン 1時間01分52秒(2019年)
獲得メダル
陸上競技
ユニバーシアード
2019 ナポリ ハーフマラソン
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伊藤 達彦(いとう たつひこ、1998年3月23日[1] - )は、静岡県浜松市出身[1]陸上競技選手。専門は長距離走静岡県立浜松商業高等学校東京国際大学卒業。Honda陸上競技部所属。

経歴

中学時代はサッカー部に所属していた。浜松商業高校に入学後、本格的に陸上を始める。

高校時代の自己ベストは5000m14分33秒10と飛びぬけたものではなく、2年生の冬までは卒業後に就職するか、調理師専門学校に進学するかで迷っていたという[2][3]

大志田秀次監督からの熱心な誘いを受け、東京国際大学に進学。1年時から第48回全日本大学駅伝第93回箱根駅伝の予選会メンバーに抜擢されるが、ともに成績は振るわず予選落ちとなった。

怪我もなく順調に練習をこなしたことで2年時にはチームの主力に成長。第94回箱根駅伝予選会では個人28位(チーム内2番手)でチームを2大会ぶりの本選出場に導くと、箱根本大会では2区を務めた(区間15位)。

3年時には10000m28分28秒62まで記録を伸ばし、名実ともにチームのエースとなる。第95回箱根駅伝では再び2区を務め、8位でタスキを受けると一時は4位集団の先頭を引っ張るなど見せ場を作る。戸塚中継所では10位に後退したものの、前年より大きく記録を伸ばした(区間11位)。

2019年3月の日本学生ハーフマラソンでは、1時間01分52秒の好タイムで3位入賞。ユニバーシアードナポリ大会の出場を勝ち取ると、7月の同大会ハーフマラソンでは相澤晃東洋大学)、中村大聖(駒澤大学)に次ぐ3位で銅メダルに輝く。この2大会で相澤をライバルとして強く意識するようになったという[4]

10月の第96回箱根駅伝予選会では日本人トップの個人5位と快走し、チームをトップ通過に導く。さらに一週間後の第51回全日本大学駅伝では2区を務め、14位でタスキを受けると13人をごぼう抜きする驚異の走りで先頭に立ち、後続に11秒差をつけタスキリレー。伊藤は岸本大紀青山学院大学)、浦野雄平國學院大學)、ラジニ・レメティキ拓殖大学)ら有力選手を抑え31分17秒の区間新記録を樹立。チームの4位(初出場・初シード)に大きく貢献した。

第96回箱根駅伝では3年連続で2区を務める。丹所健から13位でタスキを受けると、13秒後方から追い上げてきた相澤と併走。5km過ぎから20.5kmまでおよそ15kmに渡って激しく競り合い、最後は引き離されたものの5人抜きで8位に浮上。相澤に区間賞・区間新記録こそ譲ったが、伊藤は従来の2区日本人最速タイムを上回る、2区歴代3位(当時)の1時間06分18秒を記録した。伊藤の快走で流れを作った東京国際大学は往路3位・総合5位に躍進。初のシード権を獲得した。

3年連続の出場となった第25回都道府県対抗駅伝ではアンカーを務め、6人抜きの快走で静岡県チームの5位入賞に貢献した。

大学卒業後はHondaへ入社した。入社初年度から5000m・10000mで自己ベストを記録すると、12月の第104回日本選手権10000mではまたしても相澤と激しい競り合いを演じ、日本新記録で優勝した相澤に次ぐ日本歴代2位(当時)の27分25秒73を記録。東京オリンピックの参加標準記録を突破した。

2021年の第65回ニューイヤー駅伝ではエースの集う4区を務めたが、13位から9位まで浮上しながら終盤失速し16位に後退。このレース中に両脚の大腿骨疲労骨折し、右脚ハムストリングス肉離れにも見舞われ、3月まで走ることもできない状態が続いた[5]

急ピッチでの調整を余儀なくされた5月の第105回日本選手権10000mであったが、常に先頭集団のなかで落ち着いた走りを見せ、9300mで一気にスパート。27分33秒31の好タイムで優勝し、相澤に続き東京五輪代表内定となった。

東京オリンピック10000m決勝では29分01秒31で22位だった[6]

戦績・記録

大学三大駅伝戦績

学年 出雲駅伝 全日本大学駅伝 箱根駅伝
1年生
(2016年度)
第28回
不出場
第48回
不出場
第93回
不出場
2年生
(2017年度)
第29回
不出場
第49回
不出場
第94回
2区-区間15位
1時間10分16秒
3年生
(2018年度)
第30回
不出場
第50回
不出場
第95回
2区-区間11位
1時間08分36秒
4年生
(2019年度)
第31回
不出場
第51回
2区-区間賞
31分17秒
区間新記録
第96回
2区-区間2位
1時間06分18秒
歴代6位

自己ベスト

種目 記録 大会 備考
1500m 3分40秒34 2024年6月8日 東海大学長距離競技会
5000m 13分13秒56 2024年6月28日 日本陸上競技選手権大会 日本歴代6位
10000m 27分25秒73 2020年12月4日 日本陸上競技選手権大会 日本歴代7位
ハーフマラソン 1時間01分52秒 2019年3月10日 日本学生ハーフマラソン

脚注

出典

  1. ^ a b “【スポーツ報知・箱根駅伝】選手名鑑 東京国際大学・伊藤 達彦”. スポーツ報知. 2020年3月9日閲覧。[リンク切れ]
  2. ^ “【学生駅伝ストーリー】「パリ五輪ではマラソンで勝負」東京国際大・伊藤達彦が4年間で急成長できた理由”. 2021年9月10日閲覧。
  3. ^ “東京国際大エース伊藤達彦 ナポリで発奮、有言実行の日本勢トップ 箱根駅伝予選会”. 2021年9月10日閲覧。
  4. ^ “[史上最速世代が語る箱根路 vol.3]伊藤達彦「正々堂々と相澤に勝ちたかった」”. 2021年9月10日閲覧。
  5. ^ “両脚疲労骨折から復活…五輪内定・伊藤達彦、“らしくない”レース運びのワケ 「五輪では相澤晃に絶対に負けたくない」”. 2021年9月10日閲覧。
  6. ^ “相沢晃は17位、伊藤達彦は22位 「世界との差実感」も意地の走り 男子1万メートル決勝”. Sponichi Annex. https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2021/07/30/kiji/20210730s00056000405000c.html 2021年7月30日閲覧。 

外部リンク

  • 伊藤 達彦 (@ocyoco1ppai) - X(旧Twitter)
  • 伊藤達彦 (@hakonehiko) - Instagram
日本の旗男子10000m日本歴代 第7位 (10傑)
日本の旗 男子5000m日本歴代 第6位 (10傑)
1910年代
1920年代
1930年代
1940年代
1950年代
  • 50 田茂井宗一
  • 51 石井賢治
  • 52 西ドイツの旗ハーバート・シャーデ(英語版)
  • 53 井上治
  • 54 山内二郎
  • 55 高橋進
  • 56 林田積之介
  • 57 井上治
  • 58 布上正之
  • 59 林田積之介
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
  • *は大会記録
  • 100m
  • 200m
  • 400m
  • 800m
  • 1500m
  • 5000m
  • 10000m
  • 3000mSC
  • 110mH
  • 400mH
日本の旗日本陸上競技選手権大会 男子10000m優勝者
1910年代
  • 13 仲田進
  • 14 郡山庄太郎
  • 15 金栗四三
  • 17 柳田藤三郎
1920年代
  • 20 宮田俊夫
  • 21 山口幹
  • 22 下村広次
  • 23 平野太郎七
  • 25 永谷寿一
  • 26 草薙正一
  • 27 道川茂作
  • 28 永谷寿一
  • 29 森本一徳
1930年代
1940年代
1950年代
  • 50 高杉良輔
  • 51 石井賢治
  • 52 大西増夫
  • 53 大西増夫
  • 54 梅沢一美
  • 55 井上治
  • 56 林田積之介
  • 57 林田積之介
  • 58 馬場孝
  • 59 廣島日出国
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
  • *は大会記録
  • 100m
  • 200m
  • 400m
  • 800m
  • 1500m
  • 5000m
  • 10000m
  • 3000mSC
  • 110mH
  • 400mH
全日本大学駅伝2区区間賞
1970年代
  • 70 吉武鉄翁
  • 71 吉武鉄翁
  • 72 石倉義隆
  • 73 関口孝久
  • 74 浜口昇
  • 75 奥水勝美
  • 76 西弘美
  • 77 中村孝生
  • 78 坂本充
  • 79 川口晴実
1980年代
  • 80 坂本充
  • 81 坂本菊義
  • 82 楠本武彦
  • 83 山本隆司
  • 84 松田英司
  • 85 岡部邦彦
  • 86 足立亘
  • 87 川嶋伸次
  • 88.1 平山征志
  • 88.11 島津秀一
  • 89 実井謙二郎
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
  • *は現行区間記録
  • 1区
  • 2区
  • 3区
  • 4区
  • 5区
  • 6区
  • 7区
  • 8区
 
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男子
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