ヴァイオリンソナタ第32番 (モーツァルト)

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ヴァイオリンソナタ第32番 ヘ長調 K.376(374d)は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲したヴァイオリンソナタである。K.55~K.61までの偽作(K.61はヘルマン・フリードリヒ・ラウパッハの作品)を除けば第24番である。

概要

2年近くにも及んだマンハイムパリ旅行を終えてザルツブルクに帰郷したモーツァルトは、1781年7月大司教コロレドと訣別し、ザルツブルクを去ってウィーンに定住することになった。

このヴァイオリンソナタは大司教と訣別し、ウィーンに定住した直後の1781年に作曲されたもので、それ以前に作曲されたヴァイオリンソナタと比較して、ヴァイオリンのパートの役割が大幅に増大している。また明るくギャラント風な雰囲気に支配されており、ウィーンに移ったモーツァルトの気分や意気込みを反映しているかのような作品になっている。

構成

3楽章の構成で、演奏時間は約17分。

第1楽章 アレグロ

 2つの主題を持つソナタ形式であるが、これ以外にも多くの主題が用いられており、それらがピアノ的な性格を示している。

第2楽章 アンダンテ

 自由な三部形式で構成されたロマンス風の緩徐楽章である。

第3楽章 ロンドー(アレグレット・グラツィオーソ)

 ロンド形式によるフィナーレで、陽気な行進曲風の主要主題と2つのエピソードを中心にして構成されている。

外部リンク

初期の作品
  • 第1番 ハ長調 K. 6
  • 第2番 ニ長調 K. 7
  • 第3番 変ロ長調 K. 8
  • 第4番 ト長調 K. 9
  • 第5番 変ロ長調 K. 10
  • 第6番 ト長調 K. 11
  • 第7番 イ長調 K. 12
  • 第8番 ヘ長調 K. 13
  • 第9番 ハ長調 K. 14
  • 第10番 変ロ長調 K. 15
  • 第11番 変ホ長調 K. 26
  • 第12番 ト長調 K. 27
  • 第13番 ハ長調 K. 28
  • 第14番 ニ長調 K. 29
  • 第15番 ヘ長調 K. 30
  • 第16番 変ロ長調 K. 31
偽作
  • ヘ長調 K. 55
  • ハ長調 K. 56
  • ヘ長調 K. 57
  • 変ホ長調 K. 58
  • ハ短調 K. 59
  • ホ短調 K. 60
  • イ長調 K. 61 (H.F.ラウパッハ作)
円熟期の作品
  • 第17番 ハ長調 K. 296
  • 第18番 ト長調 K. 301
  • 第19番 変ホ長調 K. 302
  • 第20番 ハ長調 K. 303
  • 第21番 ホ短調 K. 304
  • 第22番 イ長調 K. 305
  • 第23番 ニ長調 K. 306
  • アレグロ 変ロ長調 K. 372
  • 第24(32)番 ヘ長調 K. 376
  • 第25(33)番 ヘ長調 K. 377
  • 第26(34)番 変ロ長調 K. 378
  • 第27(35)番 ト長調 K. 379
  • 第28(36)番 変ホ長調 K. 380
  • 第29(37)番 イ長調 K. 402
  • 第30(38)番 ハ長調 K. 403
  • 第31(39)番 ハ長調 K. 404
  • 第32(40)番 変ロ長調 K. 454
  • 第33(41)番 変ホ長調 K. 481
  • 第35(42)番 イ長調 K. 526
  • 第36(43)番 ヘ長調 K. 547
ヴァイオリンソナタ
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