グラハム準男爵

グラハム準男爵(Graham baronets)は、イギリス準男爵[注釈 1]。グラハム姓の者が叙位された準男爵位は8つあり、うち2つはノバスコシア準男爵、2つはイングランド準男爵、1つはグレートブリテン準男爵、3つは連合王国準男爵である。

ブレイコーのグラハム準男爵 (1625年)

ブレイコーのグラハム準男爵(Graham baronets, of Braco)は、第3代モントローズ伯爵ジョン・グラハム(英語版)の次男ウィリアム・グラハムが1625年9月28日にノバスコシア準男爵として叙位されたのに始まる。特別継承者(special remainder)の規定により初代より遡った男系男子への相続が可能だった[1][2]。4代準男爵の死去で初代の男系男子が絶え、初代にさかのぼっての分流であるモントローズ公爵グラハム家に継承されて現在まで続いている[3]

  • 初代準男爵サー・ウィリアム・グラハム (-1635頃)
  • 2代準男爵サー・ジョン・グラハム (-1646頃)
  • 3代準男爵サー・ウィリアム・グラハム (-1684頃)
  • 4代準男爵サー・ジェイムズ・グラハム (1661頃–1700頃) 休止(dormant)

エスクのグラハム準男爵 (1629年)

エスクのグラハム準男爵(Graham Baronetcy, of Esk)は、王党派の庶民院議員リチャード・グラハム(英語版)が、1629年3月29日にイングランド準男爵に叙位されたのに始まる[4]。3代準男爵は1681年5月13日スコットランド貴族爵位プレストン子爵(英語版)に叙されたため、その後3代にわたって準男爵位はその従属称号となったが、3代プレストン子爵の死去でプレストン子爵は廃絶。準男爵位は親族の家系に継承されて存続。現在まで存続している[5]

  • 初代準男爵サー・リチャード・グラハム(英語版) (-1654)
  • 2代準男爵サー・ジョージ・グラハム (1624頃–1658)
  • 初代プレストン子爵/3代準男爵サー・リチャード・グラハム(英語版) (1648–1695) 1681年にプレストン子爵(英語版)
  • 2代プレストン子爵/4代準男爵サー・エドワード・グラハム (1679–1710)
  • 3代プレストン子爵/5代準男爵サー・チャールズ・グラハム (1706–1739)
  • 6代準男爵サー・ウィリアム・グラハム (1730–1774)
  • 7代準男爵サー・チャールズ・グラハム (1764–1795)
  • 8代準男爵サー・ロバート・グラハム (1769–1852)
  • 9代準男爵サー・エドワード・グラハム(英語版) (1820–1864)
  • 10代準男爵サー・ロバート・ジェイムズ・ステュアート・グラハム (1845–1917)
  • 11代準男爵サー・モントローズ・ステュアート・グラハム (1875–1939)
  • 12代準男爵サー・モントローズ・ステュアート・グラハム (1904–1975)
  • 13代準男爵サー・ラルフ・ウルフ・グラハム (1908–1988)
  • 14代準男爵サー・ラルフ・ステュアート・グラハム (1950-)

ノートン・コニャーズのグラハム準男爵 (1662)

ノートン・コニャーズのグラハム準男爵(Graham baronets, of Norton Conyers)は、上記のエスクの初代準男爵の次男リチャード・グラハムが1662年11月17日にイングランド準男爵位として叙位されたのにはじまる[6]

  • 初代準男爵サー・リチャード・グラハム (1636–1711)
  • 2代準男爵サー・レジナルド・グラハム (1670–1728)
  • 3代準男爵サー・ベリンガム・グラハム (1702–1730)
  • 4代準男爵サー・レジナルド・グラハム (1704–1755)
  • 5代準男爵サー・ベリンガム・グラハム (1729–1790)
  • 6代準男爵サー・ベリンガム・グラハム (c. 1764–1796)
  • 7代準男爵サー・ベリンガム・レジナルド・グラハム (1789–1866)
  • 8代準男爵サー・レジナルド・ヘンリー・グラハム (1835–1920)
  • 9代準男爵サー・レジナルド・ガイ・グラハム (1878–1940)
  • 10代準男爵サー・リチャード・ベリンガム・グラハム (1912–1982)
  • 11代準男爵サー・ジェイムズ・ベリンガム・グラハム (1940-)
    • 推定相続人は 現当主の弟ジェレミー・リチャード・グラハム (1949-).
      • 推定相続人の法定推定相続人は上記の息子サミュエル・レジナルド・グラハム (1979-).

ガートモアのグラハム準男爵 (1665年)

ガートモアのグラハム準男爵(Graham baronets, of Gartmore) は、ウィリアム・グラハムが1665年6月28日にノバスコシア準男爵として叙位されたのにはじまるが、2代準男爵の死去で廃絶した。

  • 初代準男爵サー・ウィリアム・グラハム (-1684)
  • 2代準男爵サー・ジョン・グラハム (-1708)

ネザービーのグラハム準男爵 (1783年)

ネザービーのグラハム準男爵(Graham baronets, of Netherby)は、上記エスクのグラハム準男爵家の分流であるジェイムズ・グラハムが1783年1月15日にグレートブリテン準男爵として叙位されたのに始まる[7]

  • 初代準男爵サー・ジェイムズ・グラハム (1761–1824)
  • 2代準男爵サー・ジェイムズ・ロバート・ジョージ・グラハム (1792–1861)
  • 3代準男爵サー・フレデリック・アーリック・グラハム(英語版) (1820–1888)
  • 4代準男爵サー・リチャード・ジェイムズ・グラハム(英語版) (1859–1932)
  • 5代準男爵サー・フレデリック・ファーガス・グラハム(英語版) (1893–1978)
  • 6代準男爵サー・チャールズ・スペンサー・リチャード・グラハム (1919–1997)
  • 7代準男爵サー・ジェイムズ・ファーガス・サーティーズ・グラハム (1946-)
    • 法定推定相続人は、現当主の長男ロバート・チャールズ・トマス・グラハム (1985-).

カークストールのグラハム準男爵(1808年)

カークストールのグラハム準男爵(Graham baronets, of Kirkstall)は、トーリー党の庶民院議員だったサー・ジェイムズ・グラハム(英語版)が1808年10月3日に連合王国準男爵として叙位されたのに始まる[8]。5代準男爵が死去したことで廃絶した。

  • 初代準男爵サー・ジェイムズ・グラハム(英語版) (1783–1825)
  • 2代準男爵サー・サンドフォード・グラハム (1788–1852)
  • 3代準男爵サー・サンドフォード・グラハム (1821–1875)
  • 4代準男爵サー・ラムリー・グラハム (1828–1890)
  • 5代準男爵サー・シリル・クラーク・グラハム (1834–1895)

ラーバート・ハウス=ハウスヒルのグラハム準男爵 (1906年)

ラーバート・ハウス=ハウスヒルのグラハム準男爵(Graham baronets, of Larbert House and Househill)は、実業家ジョン・グラハムが1906年12月4日に連合王国準男爵として叙位されたのにはじまる[9]

  • 初代準男爵サー・ジョン・ハット・ノーブル・グラハム (1837–1926)
  • 2代準男爵サー・ジョン・フレデリック・ノーブル・グラハム (1864–1936)
  • 3代準男爵サー・ジョン・レジナルド・ノーブル・グラハム(英語版) (1892–1980)
  • 4代準男爵サー・ジョン・アレグザンダー・ノーブル・グラハム(英語版) (1926-2019)
  • 5代準男爵サー・アンドリュー・ジョン・ノーブル・グラハム(英語版) (1956-).
    • 法定推定相続人は、現当主の息子ジェイムズ・パトリック・ノーブル・グラハム (1990-)

ドロモアのグラハム準男爵(1964年)

ドロモアのグラハム準男爵(Graham baronets, of Dromore)は、実業家でアイルランド統一党の政治家だったクラレンス・グラハム(英語版)が、1964年1月23日に連合王国準男爵として叙位されたのに始まる[10]が、2代準男爵の死去で廃絶した。

  • 初代準男爵サー・クラレンス・ジョンストン・グラハム(英語版) (1900–1966)
  • 2代準男爵サー・ジョン・モディー・グラハム (1938-2020)

脚注

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注釈

  1. ^ 準男爵位は爵位と異なり、準男爵という肩書だけ与えられる(「○○準男爵」といった形では与えられない)。他の準男爵位と区別する必要がある場合にのみ姓名を付けたり、由来する地名を付けたりして区別する

出典

  1. ^ Lundy, Darryl. “Sir William Graham of Braco, 1st Bt.” (英語). thepeerage.com. 2019年11月8日閲覧。
  2. ^ Heraldic Media Limited. “Montrose, Earl of (S, 1503)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2019年11月8日閲覧。
  3. ^ Heraldic Media Limited. “Montrose, Duke of (S, 1707)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2019年11月8日閲覧。
  4. ^ Lundy, Darryl. “Sir Richard Graham of Esk, 1st Bt.” (英語). thepeerage.com. 2019年11月8日閲覧。
  5. ^ Heraldic Media Limited. “Preston, Viscount (S, 1681 - 1739)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2019年11月8日閲覧。
  6. ^ Lundy, Darryl. “Sir Richard Graham of Esk, 1st Bt.” (英語). thepeerage.com. 2019年11月8日閲覧。
  7. ^ Lundy, Darryl. “Sir James Graham, 1st Bt.” (英語). thepeerage.com. 2019年11月8日閲覧。
  8. ^ Lundy, Darryl. “Sir James Graham, 1st Bt.” (英語). thepeerage.com. 2019年11月8日閲覧。
  9. ^ Lundy, Darryl. “Sir John Hatt Noble Graham, 1st Bt.” (英語). thepeerage.com. 2019年11月8日閲覧。
  10. ^ Lundy, Darryl. “Sir Clarence Johnston Graham, 1st Bt.” (英語). thepeerage.com. 2019年11月8日閲覧。