キーストン・コップス

キーストン・コップス

キーストン・コップスKeystone Cops,Keystone Kops)はアメリカ合衆国で活躍したコメディアングループ。警官隊がドタバタ喜劇を繰り広げるというスタイルである。サイレント映画全盛期の1912年から1917年にかけて、スラップスティック・コメディの創始者とされるマック・セネットが設立したキーストン・スタジオ映画作品で活動した。

略歴

考案したのは当時の俳優ハンク・マンだったとされる[1]。初代警察署長を演じた(後にフォード・スターリングと交代)。キーストン・コップスの初お目見えは1912年公開の『Hoffmeyer's Legacy』で、1913年には「ヴァンビル警察」という舞台(設定)が定着した。

また、この年にはロスコー・アーバックルがキーストンに入社し、コップスの一員になっている。翌年の1914年チャーリー・チャップリンがスクリーンデビュー。次第に頭角を現すチャップリン作品を支える形で、コップスは活動を続けた。また、チャップリンも『泥棒を捕まえる人』でコップスの一人を演じている[2]

備考

  • 正式なメンバー、人数は確認することができない。1日限定でメンバーになった人物もいれば、スターリングやアーバックルのようにレギュラーメンバーとして活動した人物もいる。
  • キーストン・コップスのつづりは「Cops」ではなく「Kops」である。
  • 1984年にアメリカのアクティビジョンより発売されたAtari 2600Atari 5200専用テレビゲームソフト『Keystone Kapers』は、キーストン・コップスをモチーフにした作品である。
  • イギリスのミステリ作家ピーター・ラヴゼイの長編小説『キーストン警官』("Keystone" 1983年)はキーストン撮影所を舞台とした作品である。

主な作品

  • Hoffmeyer's Legacy (1912)
  • メーベルの誤解(英語版) (1913)
  • バーニー・オールドフィールドの人生競争(英語版) (1913)[3]
  • Mabel's New Hero (1913)
  • 醜女の深情け Tillie's Puntured Romance (1914)
  • In the Clutches of the Gang (1914)
  • The Noise of Bombs (1914)
  • ノックアウト (1914)
  • 略奪恋愛(英語版) (1915)[4]
  • Wished on Mabel (1915)
  • Love, Speed and Thrills (1915)

脚注

  1. ^ “People - Charlie Chaplin Image Bank”. photo.charliechaplin.com. 2024年7月18日閲覧。
  2. ^ “泥棒を捕まえる人 | 【スターチャンネル】映画・海外ドラマの放送・配信サービス”. www.star-ch.jp. 2024年7月18日閲覧。
  3. ^ 株式会社つみき (2021年10月30日). “映画『バーニー・オールドフィールドの人生競争』の感想・レビュー[7件 | Filmarks]”. filmarks.com. 2024年7月24日閲覧。
  4. ^ “マック・セネット=キーストン社作品”. www.kigeki-eikenn.com. 2024年7月24日閲覧。

参考書籍

  • サイレント・コメディ全史(新野敏也著、1992年、喜劇映画研究会 ISBN 978-4906409013)
  • 〈喜劇映画〉を発明した男 帝王マック・セネット、自らを語る(マック・セネット著、石野たき子訳/新野敏也監訳、2014年、作品社 ISBN 978-4861824722)