イスラエルの基本法
イスラエルの基本法(イスラエルのきほんほう、ヘブライ語: חוקי היסוד, χuke ha-yesod)は、イスラエルの国家の性格を規定する13の基本法である。
概要
イスラエルは憲法典を制定しておらず、憲法に代わる基本法を制定している[1]。
沿革
1948年5月14日に署名した独立宣言は、制憲議会が同年10月1日まで憲法を制定するよう規定された。しかし、第一次中東戦争が勃発し制憲議会の選挙施行が困難となり、期限を過ぎた1949年1月25日に総選挙は実施された。
総選挙後、初代首相であるダヴィド・ベン=グリオン率いるマパイは過半数を獲得できず、議会は少数政党との連携が必須であった。そのような状況でユダヤ教のトーラーに基づく宗教政党と、社会主義の規定を求める左派政党との調整が困難を極め、憲法制定への合意に至らなかった。
そのような状況で制憲議会の憲法・法律・司法委員会の委員であったイズハル・ハラリは、憲法小委員会で「単一的な憲法典ではなく、各分野別の基本法による憲法制定」を提案した(ハラリ提案)。最終的にはベン=グリオンはハラリ提案に同意し単一の憲法典制定を断念、憲法に代わる基本法を制定した[2]。
基本法の一覧
基本法 | 制定年 | 概要 |
---|---|---|
クネセト | 1958年 | 国の立法機関である「クネセト」について規定。 |
土地 | 1960年 | 国ならびにケレン・カイエメント(土地開発公社)が所有する土地(国有地)の譲渡を制限。 |
大統領 | 1964年 | 国の元首である「大統領」について規定。 |
政府 | 1968年 | 国の行政機関について規定。 |
国家経済 | 1975年 | 国庫・国有財産・紙幣貨幣について規定。 |
軍 | 1976年 | 軍隊と兵役について規定。 |
エルサレム、イスラエルの首都 | 1980年 | エルサレムの地位について規定。 |
司法 | 1984年 | 国の司法機関について規定。 |
国家会計検査官 | 1988年 | 国の会計検査について規定。 |
人間の尊厳と自由 | 1992年 | 人権について規定。 |
職業の自由 | 1994年 | 職業の自由について規定。 |
国民投票 | 2014年 | 国の主権・領土に関する国民投票について規定。 |
イスラエル-ユダヤ人の国民国家 | 2018年 | 国家・公用語について規定。 |
脚注
[脚注の使い方]
出典
関連項目
- イスラエルの憲法
- イスラエルの政治